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ドナルドのディシプリン ◆WWhm8QVzK6 「あの……」 「なんだい?」 ドナルドはあくまでも朗らかに応える。 それをどう取るかは受け取る側次第だが。 「水を、くれませんか……?」 「ああ、別に構わないよ。下手に倒れられても困るしね」」 そう言うと、軽々と水の入ったペットボトルを言葉に手渡した。 躊躇いはないように思える。実質、ドナルドが自身で口にしたのは本心だった。 (それに、これからどうするか考えないとねえ) ホテルの崩壊でおそらくレンと藤崎は死んだ。 固執しているわけではないが、レンがいなくなったのは痛手だった。 今さら代わりの駒を探すにも手間がかかる。 そのためにも、この手下を有効に使いまわさねばならない。 とにかく、休息が必要だ。 体力を消耗しているのは言葉だけではないのだから。 (骨折なんてしてしまったのは致命的だねえ……すぐに治るわけでもないし。 あ、もうこんな時間か。時がたつのは早いなあ) 時計を確認すると同時に、嘆息する。 さて、何人死んだのだろう? …… 「おやぁ?意外だな」 予想外だった事象は幾つもある。 まず、レンと藤崎が生きていたということ。 ホテルの崩壊からどうやって逃れたのか。 もしかして言葉が生きていたのと何か関係があるのかも知れない。 探しに行くべきだろうか。その時はおそらく藤崎の処分も行わねばならないが。 そして死者の人数もさることながら、タケモトら一行に死人が出ていない。 少しうらやましく思ったり、首輪の事はどうなっているのかと感じた。 一旦会いに行く必要があるだろう。状況を聞くために。 他にも知った人間の名前を聞いたが、特に感慨は浮かばなかった。 「ふぅん……」 これからどうしようか、とちょうど考えていたその時に 「ドナルド!!」 「あ……」 聞き覚えのある声が響いた。 黄色の髪を揺らしながら、息を途切れさせながら走ってくる人影。 辺りは暗かったが、それでも姿は確認できた。 「レンか。……よくあの崩壊から生き延びたね。どうやったんだい?」 「いや、俺にはよくわからなかったんだけど煙が見えたと思ったらいつのまにか…」 「そうか」 ドナルドはそれにはたいして気にしている様子もなく、それに関してはそこで打ち切った。 そして、聞きたい事を聞く。 「一緒にいた、藤崎はどうしたんだい?」 「あ、うん。……今から言うとこだったんだ」 レンの歯切れの悪さに少々の違和感を覚えながら、そのままドナルドは聞き入る。 一応顛末を聞き終えたところで、ようやく口を開いた。 「成程、じゃあ彼等は病院に向かっているんだね?」 「うん、言ってることが本当ならそうだと思うけど……」 「どうしようかなぁ……レンはどうしたい?」 「すぐに殺しにいくさ!…けど、ドナルドはどうなんだ?やっぱり…」 「いや、それには及ばないな」 レンは少し意外そうな顔をする。 言葉は、どうでもいいといった様子だ。 「どうしてだよ。あいつらを放っておくわけにはいかないだろ?」 「それもそうだけどね、君たちの危険も考えての事なんだよ。 ドナルドもさっきの戦いでダメージを受けてしまった。無理に追いかけても こっちが無事では済まないかもしれない。それと、彼等が誰かを殺すって言う可能性は ないだろう。どうやらあいつは強い奴と戦いたがってたみたいだし、それに手負いの状況で 動き回るような馬鹿じゃないと思うよ。戦ってみてわかったことだけどね」 「そうか……だったら大丈夫かな」 「君もこの娘も疲れてる。ここらでちょっと休憩も、必要かな」 「うん……て、待てよドナルド。そいつは……!」 漫才のようなタイミングでレンが立ち上がり、言葉を指差した。 結末を知らない彼にとって当然の発言である。勿論、彼女の体中の傷の意味も知らない。 「ああ、とりあえず和解が成立してね。ドナルドの言うことに快く従ってくれるみたいだから」 「でもそいつは……」 「レンの気持ちも分かるけどね。物事には引き際が肝心なのさ♪それに武器も奪ってある」 「――まあ、ドナルドがそういうなら」 言葉はずっと俯いたままだ。 ただ俯いているだけなのに、レンにはそれがとても恐ろしく思えた。 触らぬ神に祟りなし。眠れる獅子を起こすべからず。一瞬の油断が命取り。 無関心こそ最良の手法である。 「ところで、いつまでもこんな見晴らしのいい所にいちゃあマズいな。 安全に休める場所といえば、図書館かな?その後に……まあ、後で決めよう」 聞き手は共に異論はなかった。 というより、言えない。 一人は歯向かう気はさらさらないし、もう一人は反抗できない。 (まあ現状に文句を言っても仕方ないしね♪これからの事を考えるだけさ…。 でも、今後どっちに行こう?映画館も気になるし、病院にも行っておきたいし…) そうして立ち上がるドナルドの背中を見つめながら、レンは (どうしよう……ここで聞いた方がいいのか?でも、ドナルドがそんな事する筈ないじゃないか。 あいつらが騙そうとしてるだけかもしれない。でも、気になるなぁ…) 思いながらも、声をかけることはできない。 ドナルドを信じたい気持ちと、本当だった場合ドナルドが自分をどうするのか心配だったからだ。 それに放送で呼ばれた名前も気になる。だが、それを考えるのは落ち着いてからだと彼は決めた。 どうしようも出来ないまま、黙って彼はドナルドの後に続いた。 言葉が怖かったので、ドナルドと自分で彼女を挟むようにしながら。 【C-3 上の端/一日目・夜】 【ドナルド・マクドナルド@ドナルド動画】 [状態]:腹部にダメージ(中)、魔力消費(大) 左腕骨折 [装備]:なし [道具]:支給品一式×2(一食分水・食料消費) 不明支給品0? 1outキノコ@奴が来る ランサーアサルトライフル(335/350)@Gears of War2 魔法の石@Heart Of Darkness [思考・状況] 基本思考:教祖として信者を沢山作りつつ、信者を指揮してバトルロワイアルを盛り上げ主催者になりかわる 1:休息のために図書館に向かう。 2:休憩した後は、病院に向かうか、映画館に向かうか…… 3:言葉を駒として徹底的に利用する。少しでも逆らったら殺す 4:チルノを殺し合い向きの人材に育てる 5:タケモトの首輪解除及び無力化のための手伝いをする。利用した後は…… ※僧侶のネガキャンを聞きました。 ※馬岱から妖術と幻術をラーニングしました。 ※ドナルド組は崩壊しました ※藤崎が生きていることを知りました。 【桂言葉@SchoolDays】 [状態]:肩に刺し傷、疲労(大)、全身に痛み 、空腹 絶望 全身に暴行の後 [装備]: [道具]: [思考・状況] 基本思考:誠君を生き返らせるために生き残る 1:……。 ※アニメ最終話後からの参戦です。 【鏡音レン@VOCALOID】 [状態]:精神的に疲れ 腹部・頭部強打(中ダメージ・手当て済) ドナルド信者状態 [装備]:朝倉さんのナイフ@涼宮ハルヒの憂鬱 [道具]:支給品一式×2(一食分水・食糧消費) ダイヤの結婚指輪のネックレス@ネ実板(ブロントさん) スタンドマイク@VOCALOID [思考・状況] 基本思考:弱い悪党から殺していき、出来る限り早く強くなる。(悪気はないが足を引っ張る参加者=悪党) 1:二度と後悔しないように、マーダーを見かけたら積極的に殺す……? 2:ドナルドと図書館に向かう。 3:拡声器でミクの悪口を言っていた悪党(僧侶)を殺しに行く 4:言葉が若干恐い。 5:兄弟たちに会いたい。 6:ドナルドを尊敬、信頼。不安だったがタケモトも見直した。 7:チルノの言う『最強』に興味 8:いつか馬岱を自分の手で殺す ※僧侶のネガキャンを聞きました。 ※ドナルドマジックについて知りましたが、口止めされました ※僅かにドナルドを疑っています ※藤崎のダイイングメッセージに関する考察を聞きましたが信じていません sm193 熱血と冷静の間 時系列順 sm196 三国時代の戦闘裁判 sm194 アポロ13 -そして誰もいなくなるか? 投下順 sm196 三国時代の戦闘裁判 sm183 吾敢殺汝! ドナルド・マクドナルド sm198 道化師のみぞ知る策謀 sm183 吾敢殺汝! 桂言葉 sm198 道化師のみぞ知る策謀 sm183 吾敢殺汝! 鏡音レン sm198 道化師のみぞ知る策謀
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学徒出陣がついに皇帝に即位します。武功をあげた諸侯も王に封じられます。 第三十九話・学徒出陣帝位に就く 学徒出陣は威厳に満ちていた。 学徒「諸侯よ。よく集まってくれた。余は大越国を建国し帝位につく。」 「おおっ~~!と諸侯に歓声が上がる。」 学徒「また、我が将兵たちには漢朝によって弾圧されていた、太平道、五斗米道の 信者が多いが、新たな越王朝ではこれらの教団を十分に保護することを約束しよう。」 「大越皇帝万歳!万歳!万々歳!!」と諸侯から歓声があがった。 学徒「ところで、諸君らは王となってもらう。これより、封地を発表する。こおろぎ先生 お願いします。」 こおろぎ「御意。それではよくお聞きなされ…」 こおろぎ「張魯殿、そちは漢中王じゃ。これまでどおり、漢中の地を治めてくだされ」 張魯「ははぁ~!」 こおろぎ「次に張春華殿、そちは斉王じゃ。頼みましたぞ。」 張春華「はぇ?(*・ヮ・*)」 こおろぎ「次、張燕殿、そちは晋王であるぞ。」 張燕「ありがたき幸せ!!」 このように次々に王が定められていった。 その後、呂布は遼東王、劉壁は代王、韓遂は涼王、中野区民憲章は秦王、 金宰陽は韓王であった。 こおろぎ「最後にひょーりみ殿は、蜀王である。」 場内がどよめいた。 ひょーりみ「あの…益州は今だ、劉焉が割拠しておりますが。」 こおろぎ「そうじゃ、今だ漢朝復興などと不届きな企みをしている劉焉を討ち、 封地を安定させるのじゃ。以上、本日は解散じゃ。」 ザビエル「こりゃ、どうみても陰謀だな。梁山泊の戦力を分断させ、さらに ひょーりみ殿に無理難題を押し付ける。どうやら、越帝さまかその側近あた りにマークされているようだな。」 小銀玉「まったく兄貴は洛陽、一番乗りの大手柄を立てた男だぞ。馬鹿にしすぎだ。」 ひょーりみははっきり言ってどうでもよかったらしく、「俺は元々、王になる気 なんて無いし、どうでもいいよ。というよりさっさと故郷に帰りたいんだけど。」 などと言っていたが ザビエル「とにかく、兵を整え、益州入りしないとな。」 小銀玉「腕が鳴るな。」 紫玉「ひょーりみが蜀王になれば王妃だよ王妃、ふふふふ。」 ひょーりみ「俺を無視すんなよ。」 第四十話・ひょーりみ、巴蜀へ向かう 「え~!200!?」ひょーりみは唖然とした、梁山泊軍総勢3万のうち、ひょーりみ についてくると言ったのは、200名ほどだけであった。その他は全員、春華について 言ってしまったのだ。 ザビエル「もともと、殿には任侠的な人気はないからね。ちょっとインテリ受けは するみたいだけど、戦争も強いわけでもないし、度胸も無いし、こんなもんでしょ。」 小銀玉「まあ200人も物好きがいれば十分だろうが。」 ひょーりみ「はあ…」 春華「大丈夫だって、兵たちにはひょーりみについていく様に説得するから」 春華の半ば脅しに近い強引な話し合いにより、どうにかひょーりみは5000の兵を 手に入れた。その夜は、春華たちとの別れを惜しむ酒宴が開かれたという。 翌日、ひょーりみは兵を率いて封地、巴蜀の地へと向かった。 蜀王、ひょーりみと共に入蜀を目指すものは、王妃紫玉、軍師のザビエル、 義兄弟の小銀玉、将としては損権、果物キラーなどがいた。 ほかにも越帝の臣である渦中の司馬懿が監視役としてついていた。 それから1ヵ月後、ひょーりみ軍は高沛と楊懐の軍と激闘を演じていた。 ひょーりみ「いや~高沛と楊懐ってのは本当に強いね。今までで最強クラスじゃない?」 ザビエル「蜀王、彼らが強いのではありません。我々が弱すぎるだけです。というか敵は 我が軍の半分程度の数ですぞ。」 ひょーりみ軍は梁山泊の荒くれ者が多く、はっきり言って兵の質、数共にまさっているのだが 、春華に言われて嫌々ついてきた兵ばかり士気は一向に上がらなかった。 そもそも春華がいた頃は、黒王号にまたがった春華が前線で暴れるだけで、敵は脅え、 味方は大いに鼓舞されそれだけで勝敗が決してしまったほどであった。 実質大将であった春華が抜けた穴はあまりにも大きかった。 ひょーりみ等は、張魯の支援を受けつつその後も戦い続けたが、あまり事態は 好転しなかったようだ。元々、戦争嫌いで根性無しのひょーりみも嫌気がさし ていた。 そんなある日、ひょーりみは張任隊の待ち伏せに合い、数百の矢を射掛けられたが、 どういうわけか、一本も矢は当たらなかったのである。果物キラーによると、愛馬の ハルウララの力によるものらしい。決して当たる事の無い馬であるということだ。 ほかには特に特筆することは何も無い戦いが続いた。というより、ひょーりみ隊は 兵力の消耗を避けるため戦いを回避し始めていた。ザビエルはもはや蜀平定は不可能 と考え始めていたのである。 しかし意外な展開によりこの事態が打開されるのである。
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ディシプリン・コンチェルト ◆RwRVJyFBpg 友の銃を手にした哀れなガンマンが、血道を行くことを決意し、ここを後にしたとき 映画館の中の別シアターには、未だ決意定まらぬ一人の男が存在していた。 ◆ ――むせび鳴くようなファゴットの音色が薄暗い劇場の中を満たしていた。 静かに始まった木管の旋律は物悲しく、だが、どこか終末への予兆を感じさせる。 スクリーンには、物語の舞台らしい巨大な建造物が大映しにされていた。 どうやら、これがラストシーンのようだ。 その輝く銀幕を、一人の男が見るともなく見つめていた。 ◆ この映画館らしい場所で目を覚ましてから、もう結構になる。 だが、俺は赤いビロード張りの客席に腰掛けたまま、この場を動けないでいた。 浮かんでは消えていくいくつもの思考。 正直、俺はこれ以上ないというくらいに混乱していた。 スパイクの野郎がこの間の捕り物でぶっ壊した諸々の賠償額を計算し終わり そのあまりの赤字にない毛が抜ける思いをしながら、俺は確かにビバップ号で眠りに着いたはずだ。 それがどうしてこんなことになっちまったのか。 もしかして、全部タチの悪い夢なんじゃないかと思って確かめてみたんだが……残念ながらハズレらしい。 つねられた頬の痛みも、つねった義手の冷たさも、夢にしてはあまりにシャープすぎた。 つまるところ、全ては現実のようだ。 ビバップ号から拉致されたのも、どことも知れない映画館で見たこともない映画を見てるのも ついさっき起こった胸糞悪い殺戮ショーも、俺が意味不明な殺し合いのゲームに巻き込まれちまったのも ……全部、ままならない現実ってわけだ。 ◆ ――背後に流れていた音楽は終末への予兆を徐々に確信へと変え、盛り上がりを見せていた。 その隆盛と示し合わせたように、白衣の男がスクリーンに浮かび上がり、演説を始める。 「――未来は、現在の我々に栄光の光を与えてくれた! そう!ついに全ての恐怖を克服できる時がやってきたのだ! 太古には木々をこすり合わせ炎を熾し、あるときは鯨から生命を奪い、またある時は石油を戦い、争った! そして原子力。何時の時代も危険との隣り合わせだった! だが、これからは違う!何の恐れもない夜。我々は手に入れたのだ! 今度こそ、美しい夜を!それは幻ではないッ!」 見たとおり男は科学者のようだった。彼は語る。自らの生み出した安全で害のないエネルギーのことを。 そのエネルギーがもたらす美しい夜のことを。その語調には、心なしか狂気が宿っているようにも思えた。 ◆ 「クソッ!何で俺がこんなことに巻き込まれなきゃならん!」 悪態をつき、隣の客席に軽い八つ当たりの拳を見舞いながら俺は考える。 何をかって?決まってる。これからどうすればいいのかってことをさ。 こんなクソッタレな殺し合いに付き合って、殺戮者になるつもりは毛頭ないが だからと言って『みんな仲良くおてて繋いで』でどうにかなると思うほど甘くもない。 できりゃあ、こんな腐れた遊技場からはさっさとおさらばして、気晴らしに飲みにでも出たいところだが…… 感覚の残っている方の手を首元へと遣る。 指先が、汗ばんだ首の上にあるスベスベした首輪の触感を捉えた。 この忌々しい拘束具が嵌ってる限り、そう簡単におさらばってわけにもいかんだろう。 まず、こいつを何とかしなくちゃならん。 だが、仮にこいつを何とかできたとして、それだけでここを脱出できるかといえば、それも怪しい。 何せ、全く気取られず、あれだけの人数を拉致できる技術と組織力を持っているのが相手だ。 うまく逃げ出せたとしても、奴らを放っといたままなら、また同じ方法でさらわれるのがオチだ。 そもそも、あの螺旋王って野郎は何者なのか? 賞金首をとっ捕まえて飯を食い、元々はI.S.S.Pにいたこともある身の上だが あんな奴は見たことも聞いたこともない。 火星あたりのテロリストか?それとも地球出身の宗教家か?宇宙人ってセンもアリかもな。 どちらにしろ、厄介な敵には違いない。 それから、螺旋王に向かっていったあのパワードスーツの男、モロトフとか言ったか。 あいつも謎だ。 短い時間だったから、十分に観察できたとは言いがたいが、それでも言えることがある。 あいつのパワードスーツは異常だ。 掛け声一つで装着できる利便性、螺旋王に迫ろうとしたときの敏捷性、そして放った光線の威力…… どれ一つとっても、俺の知ってる技術の範囲を超えている。 あんなのとやりあったら、ハンマーヘッドだろうがソードフィッシュだろうが一瞬でスクラップだろうぜ。 そういえば、螺旋王はあいつのことを『異星生命体に改造された云々』と言ってやがったが…… ……まさかな。SFじゃあるまいし。 「でもって、この殺し合いの目的は『螺旋遺伝子』か……ち、情報が足りなすぎる」 次から次へと出てくる謎、また謎に嫌気が差した俺は、目をスクリーンから下げ、ガックリとうなだれた。 そう、必要なのは情報だ。この事態を何とかするためには、ともかく情報が不足している。 何かいい手は――? 事態の打開を求めて顔を上げた俺の目に、放りっぱなしのデイパックが飛び込んできた。 ◆ 「しかし、博士にはこれ以上任せてはおけない」 「そうだ!止めろ!フォーグラーを止めろ!」 「彼は暴走している!」 「引き離せ!彼をアレに近づけるなぁっ!」 朗々と演説を述べていた科学者の周りに別の男4人が群がり、彼の演説を阻止せんと躍りかかる。 科学者の前には巨大な装置。彼はそれを起動させようと男達に必死の抵抗を試みた。 「何もかも失敗かッ!」 「そうだ。この実験は完全ではなかった!無謀すぎる!」 「もう遅い!」 科学者は鬼気迫る勢いで男達を振りほどく。 ◆ 俺はあの螺旋王が“ゲームの参加者”全員に支給したんであろうデイパックの中身を広げそして ……新たに増えた悩みの種に脳を締め付けられていた。 まず一つ目の悩みの種は、白い紙に印刷された参加者名簿を確認したときに生まれた。 ――エドワード・ウォン・ハウ・ペペル・チブルスキー4世 ――スパイク・スピーゲル よく見知った同居人の名前を見つけてしまったのだ。 正直、こういう事態を考えてなかったわけじゃない。 俺がビバップ号から拉致されたってことは、奴らの部下が何らかの形で侵入したってこったろう。 だとすりゃあ、他の奴らも俺同様、巻き込まれてたって不思議じゃない。 フェイがいないのが気になるが……まさかあの女、俺たちを売りやがったのか? あの金の亡者のことだ、報酬に目が眩んで、それくらいのことはやりかねない。 まあしかし、それは今言っても仕方のないことだ。本当にそうかどうかも分からんしな。 ともかく、今の問題はあいつらだ。 スパイクは腕が立つし、エドも何だかんだでネットの業は一流だ。 あいつらの性格なら後ろから刺されることもまずないだろうから、合流できれば心強い。 ……だが、残念なことに、落ち合うために役立ちそうな手がかりが何もない。 バッグに入ってた地図によれば、この殺人ゲームの会場は、およそ8キロ四方の正方形。 闇雲に探し回ったところで、合流するのは至難のわざだろう。 そう易々とくたばる奴らじゃないから、放っておいてもそのうちどっかで再会できる気もするが ……モロトフのこともある。 何だかんだで一緒にやってきた仲間だからな。心配でないと言やあ、そりゃ嘘だ。 だが……あーくそっ、どうすりゃいい! 知り合いのことで悶々とする俺に追い討ちをかけるように 二つ目の悩みの種が零れ落ちてきた。 俺がバッグに足をぶつけちまった拍子に、そいつはコロリと転げ出てきたのだ。 それは、鳥の姿を模したようにも見える、青いクリスタルだった。 「こ、こいつはっ!?」 クリスタルを見た瞬間、俺は思わず声を上げちまった。 何故かって?俺はそいつに見覚えがあったからさ。 確かめるように、もう一度記憶を辿ってみる。 ――ああ、そういえば貴様達はコレが無ければ話にならんのだったな? そら、くれてやる ――良いだろう! 宇宙の塵となって自らの過ちを悔い改めるが良い!! テーック、セッターーー!! ……間違いない。あのモロトフがパワードスーツを装着するために使った水晶体だ。 正直、こいつが出てきたときは、こんなことになって以来初めて「ツイてる」と思ったよ。 何せ、あのパワードスーツの威力はさっき目の前で見せられたばかりだったしな。 何でも腕っ節で解決するようなやり方は好きじゃないが、強力な武器があるにこしたことはない。 それに、これ自体、俺が欲しかった『情報』そのものだ。 うまくいけば、スーツに付属のマニュアルなりガイダンスなりにアクセスできるかもしれん。 「やっと、少しはマシなことが起こってくれたかね」 そうと決まれば、やることは一つ。 まずはこいつを起動させんことには話にならん。 「確か、あいつはこう、手に持って、こんなポーズになってから……」 俺はモロトフのやり方をよく思い出し、できる限り忠実に再現しそして…… 「テック、セッタァァーー!!」 叫んだ! ◆ 「ぐあっ!!」 科学者は何かに突き動かされるがごとく、自分に組み付いていた最後の一人を殴り飛ばす。 彼は、もはや妨げるもののいなくなった道を進み、装置の起動スイッチの前に立った。 「私はこれとともに生き、ともに死す!今更何の躊躇いがあろうかッ!」 科学者の手には細長い何かが握られている。おそらくは起動のためのキーであろう。 彼はそれを頭上高く掲げ、誇るようにして弁を続ける。 「今となっては我々はこの場を放棄する!」 組み付いていた4人の男達は、そう言い放つと、一目散に場面を去った。 「よろしい!貴様らに夜の創造者となる資格はない!だが私には見える!美しい夜が見える!」 科学者は昂揚に押されるまま、起動のキーをさらに振り上げそして―― ◆ 「………………あ″?」 ……だが、何も起こらなかった。 あの広間では確かに水晶から放たれていた光は、いつまでたってもその頭すら見せない。 当然、そんな有様だから、俺にパワードスーツが装着されているはずもないわけで ……何だか恥ずかしくなってきたぞ。 大の大人が、密室で、一人、ポーズを取りながら、絶叫。 これはもう、どう考えてもイカれてる。誰か聞いたりしてないだろうな? いや、ここは映画館。防音設備はバッチリのはずだ。多分。きっと。 そのあと俺は、水晶を撫でたり、引っ張ったり、押し込んだりしてみた。 だが、どうやっても、あのパワードスーツが現れることはなかった。 結局、ここに来てから初めてツキだと思えたモンも、蓋を開けりゃあ、ただの厄介モノだったわけだ。 だってそうだろう? こっちは使いこなせないのに、使いこなせる誰かに盗まれないよう気を使わなきゃいけない兵器なんぞ 厄介モノ以外の何者でもねえ。 説明書が入ってないもんかと、一縷の望みを込めて、バッグを漁った俺の指先に何か固いものが当たった。 どうやら、まだ何か入ってたらしい。 (今度こそ、いいもんが入っててくれよ) そんな願掛けをしながら、俺はそいつを一気に引き出した。 ――するとそこには、緑色に光る、謎のガラス管があった。 長さ50~60cmのガラスの筒で、中には蛍光グリーンの液体が詰まっている。 その中ほどには何だかよく分からない赤色の球が一つ浮かんでいた。 「あーくそっ!またよく分かんねえブツかよ!……ん?」 ここに来てもう何度目か分からない悪態をついた俺は……同時に何かしらの引っ掛かりを感じた。 この緑のガラス管、確かに俺がよく知っているものではないが……どこかで見たことがある。 どこで見た?ガニメデ?金星?それともビバップ号の中か? どれも違う気がする。 じゃあ、ここに来てからか? 俺はもう一度、あの広場でのことを思い出す。螺旋王のこと、モロトフのこと、首輪のこと…… だが、その記憶の中にこのガラス管はない。 ……見たことがあるというのは、俺の気のせいなのか? いや、そんなことはない。確かにどこかで…… ある一つのことに思い当たった俺は、顔を上げ、スクリーンに焦点をあわせた。 そして、予想した通り、それは、そこにあった。 ◆ 科学者は昂揚に押されるまま、起動のキーをさらに振り上げそして―― 「私はここに誓おう。いつの日か再び、さらに美しい夜を人々にもたらさんことを! 夜の恐怖に立ち向かい、打ち勝たんがために!」 ――起動装置に向かい振り下ろした! 起動装置には、既に科学者が持っているのと同じキーが二つセットされている。 そう、この装置は、起動キーが3つ揃ったそのとき、初めてその真価を発揮するのだ! 完全無公害!無限リサイクル可能なエネルギー!それが美しい夜を永遠に―― ――だが、科学者の実験は失敗だった。 科学者が3つ目のキーを差し込んだ瞬間、装置は暴走を始めたのだ。 人類の希望となるはずだったエネルギーは瞬く間に炉心を食い破る黒い悪魔となった。 悪魔の膨張は留まるところを知らず、あっという間に舞台だった建物を崩壊させたかと思うと、 黒い衝撃波を撒き散らしながら周り一帯の地域を飲み込みそして…… 一つの国をこの世から完全に消滅させた。 これが起こった世界に住むものなら誰もが知っている大破壊。 人々はこれを『バシュタールの惨劇』と呼んだ。 そして、その光景をスクリーンの前で見ていた男、ジェット・ブラックは恐怖した。 何故ならば、彼が握っている緑のガラス管こそが、惨劇を呼んだ悪魔の鍵。 装置を暴走させた、起動キーそのものだったのだから。 ◆ 映画がすっかり終わって、シアターの照明が点いたときには 俺はもうすっかり、気持ちを固めていた。 青い水晶と緑のガラス管。 今の俺には使いこなせないが、強力な力を持ったこの2つのアイテムが、俺の心を決めさせた。 クリスタルとガラス管それから螺旋王のことを中心に情報を集め、脱出の糸口を掴む。 これが俺の決めた答えだった。 確かに、スパイクやエドのことは気になるし、心配だ。 だが、手がかりが何もない以上、あてずっぽうに探し回ってもきっと無駄足に終わるだろう。 それならば、何か目的を持って動き回った方が、得るものはある。 それに、情報を集めに向かったその先であいつらと会える可能性だってゼロじゃない。 あてもなく探し歩くのも、他の目的でうろつきまわっているところでバッタリ会うのも 確率的にはそう変わらんはずだ。 ん?情報を集めるあてはあるのかって?……まあ、一応な。 あのガラス管のことを教えてくれた映画がヒントになった。 俺に支給された品物についての情報が、映画館で映画として上映されていた。 ってことは、他の施設でも、何かしらこのゲームに関する情報が拾えるんじゃないだろうか? 例えば、図書館には、青いクリスタルについて書かれた本があるかもしれん。 例えば、博物館には、螺旋遺伝子についての研究成果が展示してあるかもしれん。 例えば、警察署には、あの螺旋王の過去の犯罪について、捜査資料が残ってるかもしれん。 この会場を主催者が用意した以上、少し虫のよすぎる考え方かもしれんし あのガラス管は実はただの玩具で、俺は踊らされてるだけって可能性もないではないが このままここで唸っていたって事態は進展しないからな。 それから、クリスタルとガラス管の扱いについちゃあ、ちょっと注意する必要があるだろうな。 こいつは確かに脱出の鍵にもなりうる強力なアイテムだが、使い方を間違えるとエライことになる。 例えば、使い方を知ってる悪党に奪われた時とかな。 スパイクやエド以外と接触する時は、慎重にいったほうがいいかもしれねえ。 まあ、いつまでも考えてたってしょうがねえし、そろそろ行くか。 随分とここで時間を浪費しちまったからな。時は金なりだ。 「スパイク、エド、すまんな。無事でいろよ……」 俺は、後回しにすることにした仲間たちに軽く侘びを入れると デイパックを背負い、シアターの出口へと向かった。 【C-5 映画館 一日目 黎明】 【ジェット・ブラック@カウボーイビバップ】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:支給品一式(ランダムアイテム0~1つ 本人確認済み) テッカマンブレードのクリスタル@宇宙の騎士テッカマンブレード アンチ・シズマ管@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日- [思考] 基本:情報を集め、この場から脱出する 1:種々の情報を得るため、図書館or博物館or警察署に向かう 2:スパイクとエドが心配 3:初対面の人間には用心する [備考] ※テッカマンのことをパワードスーツだと思い込んでいます 時系列順で読む Back 魔人 が 生まれた 日 Next 明智健悟の耽美なるバトルロワイアル――開幕 投下順で読む Back 勇気の意味を知りたくて Next 『高遠少年の事件簿』計画 ジェット・ブラック 058 業苦
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[Pv,-,User,-,-/召スキルR+SL] ☆☆ 命中が上がるのだが、効率はさほど良くない。サモン系攻撃スキルを使うなら別の手段で魔術判定を上げる方が良いだろう。というわけで、役に立つのは《ファミリアアタック》を使う場合だけだ。 -- 灯 (2008-04-22 22 19 57) 名前 コメント
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《長鼻類(ちょうびるい) マンモスドン/マンモスドン帝国(ていこく)の誕生(たんじょう)》 長鼻類 マンモスドン C 自然文明 (6) クリーチャー:ジュラシック・コマンド・ドラゴン 6000 ■W・ブレイカー マンモスドン帝国の誕生 C 自然文明 (6) 呪文 ■バトルゾーンに自分の《長鼻類 マンモスドン》が4体以上あれば、自分はゲームに勝利する。 作者:wha 《長鼻類 マンモスドン》 【企画】なんとまさかの予想外!リメイクカード大集結 【企画】行くぜデュエマの頂上へ!オリカ・デュエキングMAX2023! カードリスト:wha カードリスト2:wha 評価 結局帝国ができる前にドラゴンごと滅んだマンモスドンさんじゃないですか! -- Raczy_32 (2020-11-11 23 00 29) 同じような能力を持つ《ケロヨン・カルテット》と違い、相手ターンにもEXウィンが狙えるのが可能性感じますね〜。 -- シザー・ガイ (2020-11-11 23 03 41) 名前 コメント
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ここはルーツ氏のゲリラ的な(?)単発実況動画や、 他の実況者とのコラボ動画(単発:ホームムービー系など)をまとめたページですよなんですよ。 友人との実況動画は居酒屋「ガガーガガ」のページにもあるよ! 関連 ルーツ氏と愉快な羅刹たち 居酒屋「ガガーガガ」 動画一覧(新着順)) Googleパックマン タントアール テハフ ディシプリン*帝国の誕生 グーニーズ実況プレイ 【実況野郎B-TEAM】四人でスマブラ実況プレイ ダンス・ダンス・ダンス ゴールデンアイ ウイニングイレブン FF7 ニコ割ゲーム ゲッダン 星をみるひと 学校であった怖い話 大乱闘スマッシュブラザーズ タイガーヘリ SM調教師瞳番外編 プルムイプルムイ 塊魂
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